第3世代AMD Ryzen Threadripper対応TRX40マザーボード
先日、第3世代となるAMD Ryzen Threadripperシリーズ、3970Xと3960Xが登場しました。それに合わせて新チップセット『TRX40』と新ソケット『sTRX4』の発表もあり、いずれも従来のThreadripperと互換性を一切持たない仕様となっています。そのため第3世代Ryzen Threadripperを使うためにはそれに対応したTRX40マザーボードも合わせて購入する必要があります。そこで当記事ではASRock、ASUS、GIGABYTE、MSIの第3世代Ryzen Threadripperに対応したTRX40マザーボードをご紹介します。
第3世代Ryzen Threadripperの『3970X』、『3960X』そして『TRX40』や『sTRX4』に関する詳しい内容はこちらの記事をご確認ください。
この記事はかなり長いから、各所にある『一覧へ戻る』ボタンを活用してね (*´ω`*)
第3世代Ryzen Threadripper対応マザーボード
AMDの第3世代Ryzen ThreadripperシリーズにはソケットがsTRX4でTRX40チップセット搭載のマザーボードが必要になります。
Socket sTRX4
・TR4との互換性は無し
・CPUクーラーの規格はTR4と共通
必ず覚えておきたいのが、従来のTR4ソケットとの互換性がないということ。つまり旧世代ThreadripperをsTRX4ソケットで使用することも、第3世代Threaripperを従来のTR4ソケットで使用することもできないということです。
CPUクーラーに関しては、TR4とsTRX4のネジ穴が共通なので従来のCPUクーラーも使用できます。
TRX40
一般Ryzen向けのX570チップセット同様、発熱が多いため全製品でファンが冷却用のファンが搭載されています。またその配置もX570で一部で不評だったグラフィックボードの真下から、下にずらしたデザインになっています。
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マザーボード一覧
メーカー | シリーズ | 製品名 | 用途 | 価格(円) | 発売日 | 備考 |
TRX40 Taichi | 69,850(最安) | 発売済み | フラッグシップ | |||
TRX40 Creator | クリエイティブ | 64,350(最安) | 発売済み | |||
ROG Zenith II Extreme | ゲーミング | 91,800(最安) | 発売済み | フラグシップ | ||
ROG Strix TRX40-E Gaming | 未定 | 未定 | ||||
Prime | Prime TRX40-Pro | 60,800(最安) | 発売済み | |||
AORUS | TRX40 AORUS XTREME | ゲーミング | 125,180 (Amazon) |
発売済み | フラッグシップ | |
TRX40 AORUS MASTER | 73,480(最安) | 発売済み | ||||
TRX40 AORUS PRO WIFI | 59,180(最安) | 発売済み | ||||
TRX40 DESIGNARE | クリエイティブ | 92,400 (Amazon) |
発売済み | |||
CREATOR | CREATOR TRX40 | クリエイティブ | 88,000 (Amzon) |
発売済み | フラッグシップ | |
PRO | TRX40 PRO WIFI | 57,200 (Amazon) |
発売済み | |||
TRX40 PRO 10G | 不明 | 不明 |
ASRock
様々な高負荷環境における使用に最適化されたハイエンドシリーズTaichiと、定格運用向けの廉価グレードモデルCreatorの2機種が発表されています。現状ではハイエンドと廉価グレードの2製品と極端なラインナップで選択肢が少ないように思えます。しかしTaichiシリーズはハイエンドグレードでOCやゲーミング、クリエイティブといった多用途に対応しながら、控えめな価格設定によりカバーできるユーザーの層が厚いです。そのため一概に極端なラインナップとも言えません。
逆に購入を検討するユーザーの視点では『安価なTRX40マザーボード⇒TRX40 Creator』、『高性能なTRX40マザーボード⇒TRX40 Taichi』と非常に分かりやすく、選びやすいラインナップ構成とも言えるでしょう。
また従来のASRock通りオーバースペックとも言えるVRMの性能、品質は今回のTRX40シリーズでも健在のようです。
TRX40 Taichi、TRX40 CreatorともにATXサイズに抑えられているため、ケース選びが楽でしょう。ASRockの技術力の高さや執念がうかがい知れます。
ASRock JAPAN公式Twitterで積極的に情報を発信してくれているのも好印象です。
TRX40 Taichi
- 16フェーズ、90A Dr.MOS&パワーチョーク
- XXLアルミニウム合金ヒートシンク&ヒートパイプデザイン
- DDR4-4666+(OC)対応
- PCIe4.0×16(3スロット)、PCIe4.0×1(1スロット)
- NVIDIA NVLINK、3Way SLI、AMD 3Way CrossFire
- SATA3 8ポート
- Hyper M.2(PCIe Gen4対応)2スロット
{M2-1:PCIe4.0接続、M.2のType 2260/2280対応
M2-2:PCIe4.0、SATA3接続、M.2のType 2260/2280/22110対応} - USB3.2 Gen2 x2(Type-C) 1ポート(リア)
- USB3.2 Gen2 x1(Typer-A) 4ポート(リア)4ポート(フロント)
- 7.1chオーディオ(Realtek ALC4050H+ALC1220)
- Purity Sound4&DTS Conntect
- Realtek2.5G LAN、Intel Gigabit LAN
- WI-FI 6 802.11ax(2.4Gbps)+BT5.0
- 「HYPER QUAD M.2 CARD(M.2拡張カード)」が付属
ASRock史上最強の3000W以上も供給可能な電源回路を備えた最強OC性能を有すると謳っています。またそのMOSFETを冷却するためにアルミ合金の重厚なヒートシンクと2基の小型ファンを備えています。
第3世代Ryzen Threadripperの大きな特徴でもあるPCIe Gen4 NVMe SSDもマザーボード基盤に2枚、付属の拡張カードに4枚、合計で最大6枚も搭載することが可能です。
TRX40 Taichiポイント解説https://t.co/ALQDJyKGTu
・ASRock史上最強の電源回路
3000W以上供給&最高効率最強OCマザーボード。
・防塵FAN装備で低音高寿命化!
・AQUAでも使った最高品種のサーバー用PCB仕様!
・ゲーム向けに2.5GLANも搭載!
・カッコいい
・つよい
・すき pic.twitter.com/aUP3O68ne2— ASRock Japan (@AsrockJ) November 8, 2019
TRX40 Creator
- 8フェーズ、90A Dr.MOS&パワーチョーク
- XXLアルミニウム合金ヒートシンク&ヒートパイプデザイン
- DDR4-4666+(OC)対応
- PCIe4.0×16(4スロット)
- NVIDIA NVLINK、4Way SLI、AMD 4Way CrossFire
- SATA3 8ポート
- Hyper M.2(PCIe Gen4対応)3スロット
{M2-1・M2-2:PCIe4.0接続、M.2のType 2260/2280対応
M2-3:PCIe4.0、SATA3接続、M.2のType 2230/2242/2260/2280/22110対応} - USB3.2 Gen2 x2(Type-C) 1ポート(リア)
- USB3.2 Gen2 x1(Typer-A) 4ポート(リア)4ポート(フロント)
- 7.1chオーディオ(Realtek ALC4050H+ALC1220)
- Purity Sound4&DTS Conntect
- AQUANTIA 10G LAN、Realtek2.5G LAN
- WI-FI 6 802.11ax(2.4Gbps)+BT5.0
- 発光機能(LED)なし
ハイエンドPCを必要とするクリエイター向けのRTX40マザーボードです。LEDなどのライティング機能を有していないため、価格も抑えられるでしょうし仕事用としてはピッタリです。また光らないPCを組みたいというユーザーのニーズにも応えられる製品でしょう。
8フェーズとTaichiの半分ではありますが、1500W以上も供給可能と十分な性能です。また90A Dr.MOSを搭載しているため安定的にCPUに電源供給をでき、安定して第3世代Ryzen Threadripperのパフォーマンスを引き出せるでしょう。他にもAQUANTIAの10G LANやPCIe4.0x16を4レーン、NVMe SSD用のPCIe4.0x4スロットを3つも備えるなど、機能も充実しています。
マザーボードデザインは決していいとは言えませんが、ビジネス用や内部の見えないPC用であれば問題は無いでしょう。もし同じASRockでデザイン性を求めるのであれば必然的にTaichiという選択になるでしょう。
これだけ機能面で充実したTRX40マザーボードですから価格次第ではかなり魅力的な存在となる可能性もあります。
・ASRock Japan公式Twitterさんのポイント解説
TRX40 Creatorポイント解説https://t.co/ALQDJyKGTu
・定格運用向け8フェーズ回路(1500W以上供給可能)オーバースペックでは?🤔
・ATXに納めてしかも4wayPCIE4.0可能!
・CPU補助電源を分離し、電源効率さらに向上
・質実剛健安定マザーボード
・裏面がえっち
・光らない
・硬い
・よき pic.twitter.com/og1nV3vJ4j— ASRock Japan (@AsrockJ) November 8, 2019
ASUS
ASUSはゲーミングモデルをフラッグシップとなるハイエンドモデルの『ROG Zenith II Etreme』と、人気シリーズSTRIXのTRX40モデルとなる『ROG STRIX TRX40-E GAMING』の2モデル、クリエイティブやOCなど様々な目的に使える白を基調としたデザインが特徴的なPRIMEシリーズの『Prime TRX40-Pro』、計3モデルのラインナップとなっています。
すべての製品が共通して16フェーズのCPU電源を備えるなど、RTX40マザーボードとしては非常に優秀なが製品が揃っています。しかしどれも高機能であるために、価格が高めになってしまうのではないかという懸念もあります。
長い間トップクラスのシェアを誇るASUSならではの洗練されたデザインで、どの製品も目を引く見た目となっています。特にゲーミングマザーボードのZenith II ExtremeとSTRIX TRX40-E Gamingの2つはASUSオリジナルのOLEDディスプレイ(LiveDash)を備え、マザーボードを自分好みにカスタマイズできる面白さがあります。Prime TRX40-Proも清楚でスッキリとした万人受けするデザインでしょう。(ホワイトカラーで他のパーツとの組み合わせが少し難しいかもしれません)
また初回起動時、自動的に各種ドライバーをインストールしてくれるソフトやOS上でもコントロール可能な自動オーバークロックソフト、ゲームの最適化ソフト、オーディオコントロールソフトなど、利便性に優れたソフトウェアが充実しているのも特徴です。
ROG Zenith II Extreme
- 16フェーズ(Infineon TDA21472パワーステージ)
- 8+8+6ピンのProCool II(CPU補助電源コネクタ)
- MicroFine Alloly chokes(45A、高透磁率のコアチョーク)、日本製コンデンサ
- VRMヒートシンク(小型ファンx2)、M.2ヒートシンク、バックプレート
- Wi-Fi 6(802.11ax)<MU-MIMO対応>
- 10Gbpsイーサネット(AQUANTIA)、IntelギガビットLAN
- GameFirst Vテクノロジー(ネットワークをゲームプレイに最適化するツール)
- SATA 3(8ポート)
- 最大5つのPCIe4.0接続M.2 SSDを搭載可能(基盤の表に2つ、基板背面に1つ、DIMM.2に2つ)
- DIMM.2スロット、DIMM.2カードが付属(DIMM.2とは・・・ASUSオリジナルのM.2拡張システム)
- RGBヘッダー×2、アドレサブルGen2 RGBヘッダー×2、OLEDパネル(LiveDash)、Aura sync RGBライティング
- 日本製コンデンサーによるオーディオ、SupremeFX S11220、ESS®SABRE 9018Q2C
- USB 3.2 Gen2 x2(1ポート)
USB 3.2 Gen2(7ポート・・・Type-A x6、Type-C x1)
USB 3.2 Gen1(4ポート・・・Type-A x4) - マルチGPU対応(SLI/CFX)
- PCIe4.0 x16(4スロット)
{1レーン:x16
2レーン:x16/x16
3レーン:x16/x8/x8
4レーン:x16/x8/x16/x8 動作} - DDR4-4600対応(最大256GB)
ROG Zenith II ExtremeはTRX40マザーボードの中でも有数の高いカスタマイズ性を誇ります。それはM.2 SSD増設用のDIMM.2や柔軟なOCを可能にする強力なVRM、他メーカーにはないOLEDパネル、ソフトウェア類など多岐にわたります。特に私も使用しているOLEDパネル(LiveDash)は、GIF画像やロゴを表示するだけでなく、CPU温度や電圧、水冷システムの状態なども表示でき、作業中でも容易にPCの状態を確認することができる非常に便利な機能です。
また最近のASUSらしい凝ったデザインも素晴らしいです。私個人としてはVRMやチップセットのファンを隠しているのは良いと思います。空気抵抗が生まれ、冷却にロスが出るため一長一短ではありますが・・・
PCIe4.0接続のM.2スロットが基盤の背面に設置されているのには驚きです。小型のマザーボードなどではよくこの手法が使われるのですが、E-ATXマザーボードでは珍しいです。これによって組み込めるM.2 SSDは増えるのですが、マザーボードをケースに組み込んだ後のつけ外しは非常に面倒に思えます。また恐らく背面のスロットにはヒートシンクを搭載できないでしょうし、バックパネルもM.2 SSDを搭載するために全体の1/4ほどを小さくした設計となっています。
こちらの製品はASUSのTRX40マザーボードのフラッグシップモデルで、値段が高くつきやすく実際に市場に出た際には割高感がある可能性があります。またほとんどのユーザーは同じゲーミングモデルのROG Strix TRX40-E Gamaingでも各種機能が充実しているため満足できるでしょう。よってこちらのROG Zenith II Extremeはブランドやロマンを求めるASUSファンのための製品で、ユーザーのブランドなどに対する価値観でStrix TRX40-E GamaingかZenith II Extremeかで選択が分かれるでしょう。
ROG Strix TRX40-E Gaming
- 16フェーズ、8+8ピンのProCool II電源コネクタ、合金チョーク、高耐久のコンデンサ
- 2.5Gps LAN(Realtek)、IntelギガビットLAN
Wi-Fi 6 (802.11ax)、GameFirest V - SATA 3 x8
- 最大3つのPCIe4.0 x4 M.2対応
{CPU直結PCIe4.0 x4接続 x2
チップセット側のPCIe4.0 x4又はSATA接続 x1} - PCIe4.0 x16(3レーン)、PCIE4.0 x4(1レーン)
- RGBヘッダー、Gen2 RGBヘッダー、OLEDパネル、Aura Syncライティング
- VRMヒートシンク(小型ファンx2)
- USB 3.2 Gen2 x9
USB 3.2 Gen1 x4
USB 2.0 x4 - DDR4-4400(最大256GB)対応
- ゲーム用オーディオ(SupremeFX S1220、DTS®サウンドアンバウンド、Sonic Studio III)
人気ゲーミングシリーズROG STRIXのTRX40モデルです。ROG STRIXはいずれのプラットフォームにおいても標準的な立ち位置となっていて、こちらのTRX40モデルもTRX40マザーボードの中で、機能や性能、価格において標準的な存在となるでしょう。
またその標準的な立ち位置が故に選びやすさが特徴の一つともなっています。そのためゲームに限らずクリエイティブ用にしても迷ったらコレを選んでおけば間違いないでしょう。しかし一応はゲーミングモデルなので、中にはライティングが派手だと感じるユーザーの方もいらっしゃるでしょう。そのような方には同じASUSのPrimeなどがおすすめです。STRIXとPRIMEは価格帯が似ていますし、Primeも各プラットフォームの汎用マザーボードとして標準的な存在です。
前記のようにこの製品はゲームはもちろんクリエイティブなどにも使えるためゲーム実況やゲーム配信をしたいというユーザーにはピッタリでしょう。ゲームにおいては高速LANやゲーミングオーディオを活かして最高のパフォーマンスを発揮できるでしょうし、多くのコアを有するAMDの第3世代Ryzen Threadripperの性能であればゲームプレイ中の録画や配信などもストレスなく快適にすることができます。またゲームや録画など長時間の高負荷環境においても、これだけマザーボードの冷却がしっかりしていれば安心です。そのためゲーム実況や配信に使いたい、挑戦したいという方にもオススメできます。
Prime TRX40-Pro
- 16フェーズ(Indineon TDA 21462)、8+8ピンのProCool II電源コネクタ、国産コンデンサ
- IntelギガビットLAN
- SATA 3 x8
- 最大3つのPCIe4.0 x4 M.2対応
{CPU直結PCIe4.0 x4接続 x2
チップセット側のPCIe4.0 x4又はSATA接続 x1} - PCIe4.0 x16(3レーン)、PCIE4.0 x4(1レーン)
- VRMヒートシンク(小型ファン非搭載、オプションで装着可能)
- USB 3.2 Gen2 x5
USB 3.2 Gen1 x10
USB 2.0 x2 - DDR4-4400(最大256GB)対応
PrimeはクリエイティブやOCなど様々な場面での使用を考えてつくられているマザーボードになります。またROG Strix同様、標準な価格設定により多くのユーザーに受け入れられやすいシリーズです。ゲーミングにも使えないことは無いのですが、ゲームにおけるパフォーマンスや価格を考えると上記のROG Stirx TRX40-E Gamingがおすすめです。
ROG Strix TRX40-E Gamingと比較すると最新のWi-Fi 6や高速LANなどの機能が省かれています。その代わりにStrixよりも電源周りが強化され、フラッグシップのZenith II Extremeと近いものになっています。そのためOCや動画のエンコードなどCPUを酷使する場面では安心できるかもしれません。しかしVRMヒートシンクには標準でファンがついていないなど欠点もあります。(ファンはオプションで付けられます)
現時点では製品の情報を公式の製品ページからしか読み取ることができないため、ハッキリとは言えませんが仮にStrixと同価格になった場合、Strixのほうが機能面で充実した印象があるためコストパフォーマンスが高いように思えます。
TRX40マザーボードで白を基調とした製品はこちらのPrime TRX40-Proのみなので、白いマザーボードを使いたいという方はコレ一択となります。
GIGABYTE
ラインナップはGIGABYTEのゲーミングブランドAORUSシリーズからTRX40 AORUS XTREME、TRX40 MASTER、TRX40 PRO WIFIの3機種、そしてデザイナー向けのTRX40 DESIGNARE、計4機種です。当記事の4メーカーの中では最多のラインナップ数で、特にゲーミングモデルが充実していてゲーミングユーザーとしては選択肢が多く、予算や機能など自分に合ったモノがみつかりやすいかもしれません。
上記の2メーカーとは異なりUSBの新しい規格であるUSB 3.2 Gen2 x2を搭載したモデルがありません。しかし4メーカーの中では唯一USB 3.2 Gen2 x2よりも多機能なThunderbolt 3を搭載したモデル(TRX40 DESIGNARE) があります。
他にもすべてのマザーボードにVRMヒートシンクにファンを搭載していないメーカーでもあります。その代わりに放熱フィンの表面積を大きくして放熱性能を高める加工がなされています。これによって音の発生源が少なくなり、静穏性が向上しているはずです。音を気にされるユーザーの方にとっては嬉しい設計ではないでしょうか。
GIGABYTE JAPANさんは公式のYouTubeチャンネルにて毎週AORUS TVを配信しており、最新の放送(2019/11/12)でもTRX40マザーボードについても少し触れていました。また先週末に行われたイベントにおいても解説されていたので、それらの動画も併せてご紹介します。メーカーの方の解説なので分かりやすいと思います。
TRX40 AORUS XTREME
- 16+3フェーズ(ダイレクト)
- Fins-Arrayヒートシンク(VRMヒートシンク)
- バックプレート(ナノカーボン加工)
- Intel 10GbE LAN x2
- Wi-Fi 6 802.11ax 2T2R & BT 5
- 130db SNR AMP-UP 高音質オーディオ(ESS SABRE 9218 DAC & WIMA 音響コンデンサ付)
- USB TurboCharger(USB高速充電)
- PCIe4.0 x16 4スロット(全て2スロット幅を確保)
- PCIe4.0 x4接続 M.2 SSD最大8つ搭載可能
{基板上 4スロット
付属拡張カード 4スロット} - DDR4-4400(最大256GB)
- PCIe4.0 M.2拡張カード付属(4ポート)
これまでのGIGABYTEは大量のLEDを使った派手なフラッグシップのマザーボードを多く出してきましたが、今回のフラッグシップモデル、TRX40 AORUS XTREMEは非常にシンプルで落ち着いたデザインとなっています。
また24ピン端子など主要な端子が横向きになっており、配線を簡単にきれいに見せることが可能です。個人的には非常に素晴らしい工夫だと思います。他にも補助電源端子に金属加工を施すなど各所にGIGABYTEらしいこだわりが見受けられます。
このマザーボードはTRX40マザーボードの中では最大?でサイズはXL-ATXと非常に大きいです。そのため使用できるケースがかなり限定されてしまいますし、収まるケースでもわざわざ「XL-ATX対応」と表記している製品も少ないので探すのにも一苦労です。
しかし10GのデュアルLANなど機能は豊富ですし、マザーボードとしての性能(OC耐性など)もトップクラスなので、製品の価値は非常に高いでしょう。(その代わり、値段もかなり高いでしょうが・・・)
TRX40 AORUS MASTER
- 16+3フェーズ(ダイレクト)
- Fins-Arrayヒートシンク(VRMヒートシンク)
- バックプレート(ナノカーボン加工)
- AQUANTIA 5GbE LAN、IntelギガビットLAN
- Wi-Fi 6 802.11ax 2T2R & BT 5
- 130db SNR AMP-UP 高音質オーディオ(ESS SABRE 9218 DAC & WIMA 音響コンデンサ付)
- USB TurboCharger(USB高速充電)
- PCIe4.0 x16 4スロット
- PCIe4.0 x4接続 M.2 SSD最大3つ搭載可能
- DDR4-4400(最大256GB)
- Q-Flash PLUS対応(簡易BIOS更新機能)
上記のTRX40 AORUS EXTREMEと比べると、多くのユーザーにとって使い勝手の良い仕様になっています。10Gではなく5GbEなのでゲームなどにおけるPingを下げることもできますし、PCIe4.0 x4スロットも3に抑えられています。
しかしこれだけでも機能としては十分ですし、VRMはXTREMEと同じ仕様なので第3世代Ryzen Threadripperも思う存分使えるでしょう。それに加えて最近GIGABYTEマザーボードは補償期間が2年に引き伸ばされたため、長期的な利用にも使いやすいマザーボードと言えます。
LEDはIOシールド部分のみで落ち着いた見た目ですが、AORUSのロゴが印刷されていてクールな仕上がりになっています。そため落ち着いた雰囲気でありながらワンポイントのあるマザーボードが欲しいというユーザーの方にはオススメです。
価格もある程度、手を出しやすくなるでしょうから万人受けするTRX40マザーボードとも言えるでしょう。
・参考動画
TRX40 AORUS PRO WIFI
- 12+2フェーズ(ダイレクト)
- Fins-Arrayヒートシンク(VRMヒートシンク)
- バックプレート(ナノカーボン加工)
- IntelギガビットLAN
- Wi-Fi 6 802.11ax 2T2R & BT 5
- 120db SNR AMP-UP 高音質オーディオ(ALC1220-VB & WIMA 音響コンデンサ付)
- PCIe4.0 x16 4スロット
- PCIe4.0 x4接続 M.2 SSD最大3つ搭載可能
- DDR4-4400(最大256GB)
- Q-Flash PLUS対応(簡易BIOS更新機能)
AORUS MASTERよりも更にフェーズ数やネットワーク機能、オーディオ機能などの機能を省いてたモデルです。機能としては前記の製品と比べると見劣りしますが、フェーズ数も十分あり、TRX40マザーボードとしては十分なマザーボードです。そのため安めのTRX40マザーボードを使いたいという方におすすめです。
下位モデルではありますが、VRMのヒートシンクは上位モデルにも劣らな見劣りしないレベルなのでゲームや動画編集など長時間、高い負荷のかかる使用目的にも使えるでしょう。しかしゲームやクリエイティブ作業で5Gの高速LANを使いたいという方はワンランク上のMASTERのほうがいいかもしれません。
・参考動画
TRX40 DESIGNARE
- Thunderbolt 3を付属カードにより使用可能
・参考動画
MSI
MSIのラインナップはフラッグシップのハイエンドモデル、CREATOR TRX40そしてローエンドのPROシリーズからTRX40 PRO WIFIとTRX PRO 10Gの計3製品です。
他メーカーと比べると、どの製品も質素なデザインに見えます。しかし廉価グレード品でもM.2の拡張カードが付属するなど拡張機能が豊富であったり、VRMが充実していたりするのがポイントです。とはいえ上位のCREATORを含め、どれもチップセットやM.2 SSD用のヒートシンクが貧弱に見えます。(画像を見た感じでは・・・)M.2 SSDはファンがついている拡張カードを使えばよいと思いますが、チップセット周りは少し不安です。
対してVRMヒートシンクの方はGIGABYTE同様、全ての製品がファンレスで、表面積を増やす加工がなされた放熱フィンを採用しているため。静穏性の面では優れていると言えます。
MSIは下位モデルでもVRMや各種機能が充実しているので、デザインは気にせず、価格やマザーボードの機能を重視する方には良い製品が揃っているでしょう。
CREATOR TRX40
- DDR4-4666(最大256GB)
- 16フェーズ 70A
- AQUANTIA 10G LAN、IntelギガビットLAN
- 最大7枚のPCIe Gen4 M.2
- XPANDER-AERO Gen4(M.2拡張カード)付属
- USB 3.2ポート(フロント)
{1(Gen2,Type-C),4(Gen1,Type-A)} - USB 3.2ポート(リア)
{1(Gen2 x2,Type-C),5(Gen2,Type-A),4(Gen1,Type-A)} - Core Boost、デジタルPWM IC、8pin x2のCPU補助電源コネクタ、DDR4 Boost
- Audio Boost 4 with Nahimic搭載
CREATOR TRX40は他のメーカーのフラッグシップモデルと見比べるとひ弱なデザインにも見えますがクリエイター向けをコンセプトとしたマザーボードなので、その点については納得がいくでしょう。見た目のインパクトでは劣るものの、USB 3.2 Gen2 x2やWI-FI 6、10G LAN、M.2 SSD拡張カードなどが揃っており他のフラッグシップにも劣らない機能の充実ぶりです。
特に10Gの高速LANなどは高速通信環境が整った環境で作業をされるクリエイターの方にとっては嬉しいものではないでしょうか。
MSIの独自技術DDR4 BoostによりメモリもDDR4-4666まで対応していますし、VRMも70A 16フェーズと十分な性能を有しているためOCも楽しめるマザーボードでしょう。
最新Ryzen Threadripperから対応されたPCIe4.0 x4のM.2においても他メーカーのほとんどが外排気仕様の拡張カードであるなか、MSIのみ冷却性能の高い内排気仕様になっています。熱を持ちやすいNVMe SSDを多く搭載する訳ですから、冷却性能が高いほうが安心です。
TRX40 PRO WIFI
- DDR4-4666(最大256GB)
- DDR4 Boost
- Lightning Gen4対応M.2スロット 最大4ポート
- M.2 XPANDER-Z Gen4(M.2 SSD拡張カード)付属 2ポート
- 12+3フェーズ 90A、8pin x2、デジタルPWM搭載
- Wi-Fi 6
- IntelギガビットLAN x2
- Audio Boost 4搭載
ローエンドのTRX40マザーボードですが、最新のWi-Fi 6やUSB 3.2 Gen2 x2、M.2拡張カードなど廉価グレード品とは思えない充実ぶりです。またVRMも十分な性能なので、高負荷の環境においても安定してCPUのパフォーマンスを引き出してくれるでしょう。
VRMのヒートシンクはしっかりしているように画像からは見受けられますが、チップセットのヒートシンクはファンを搭載しているモノの、他メーカーと比べるとヒートシンクが小さく、貧弱に見えるので少し心配ではあります、しかし安価なTRX40マザーボードが欲しいというユーザーにとっては魅力的なマザーボードとなるでしょう。(まだ価格が発表されていないので何とも言えませんが、TRX40マザーボードの中ではかなりお手軽な部類になるでしょう)
またPCIe Gen4対応のM.2拡張カードも付属するので、そのような拡張カードが付属したマザーボードをできるだけ安く買いたいという方にもおすすめです。
TRX40 PRO 10G
まとめ
発売時期が近いことからかAMDの第3世代Ryzen Threadripperの対抗馬となるIntelのCascade Lake-X向けのX299マザーボードとTRX40マザーボードのデザインは非常に似ているなぁという印象です。しかし性能や機能はかなり違うので、用途やニーズに合わせて選ぶのが良いでしょう。
Cascade Lake-X向けのX2999マザーボード 一覧
TRX40だけで見ていくと・・・やはりどのメーカーも他コア、高クロックの第3世代Ryzen Threadripperに対応するために、フェーズ数を多くしたりして電源周りや、PCIe Gen4関係に力を入れているように見受けられました。
個人的に気になったTRX40マザーボードは・・・
<ASRock> Taichi・・・電源周りはやりすぎにも思えますが、OC、クリエイティブ、ゲームなど何にでも使えるというのは魅力的かなぁと思います。またCPUの性能を最大限引き出せるTRX40マザーボードなのではないかと思うので、レビュー記事が楽しみです。
<ASUS> ROG Strix TRX40-E Gaming・・・製品名が長すぎる、、というのは置いといてStrixにしては結構、機能が充実していて驚きました。ただし価格が上がってしまうのではないかという懸念もあります。
<GIGABYTE> AORUS PRO WIFI・・・おそらくTRX40マザーボードの中では安めのモデルになると思うのですが、デザインもいいですし、機能も正直これくらいで十分なのでコスパを考えると結構良い製品かなぁと思います。DESIGNAREも気になるのですが、詳細がまだ出ていないので、、、
<MSI> TRX40 PRO WIFI・・・多分、TRX40マザーボードの中では最安クラスのモデルだと思いますが、機能が充実していてこちらのコストパフォーマンスが高いように思えます。しかしデザインが微妙なのでガラスパネルのケースには合わないと思います。
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